ファクタリングの仕訳方法
ファクタリングの仕訳方法は以下の通りです。
- 売掛金発生(請求書発行) ・・・ 売掛金(通常取引と同じ)
- ファクタリング契約をして入金待ちの状態 ・・・ 未収金
- 債権買取額が入金された ・・・ 入金額を普通貯金(銀行振込の場合) / 手数料相当額を売上債権売却損(非課税)、掛け目によって入ってこない金額を未収入金
- ファクタリングした分が自社に入金された ・・・ ファクタリング会社に返す分を預かり金または留保金
- 自社への入金をファクタリング会社に返金 ・・・ 預り金
上記は借方による仕訳の一覧です。
ファクタリング契約と同時に入金があれば、未収金として仕訳することなく、入金額に応じて普通貯金等へ仕訳することができます。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングで仕訳方法が変わってくるのと、ファクタリング手数料は非課税で計算できる点を間違えないようにしましょう。
別途、振込手数料は自社の負担の有無によって仕訳を行ってください。
よくある事例①
ファクタリング形式:2社間
売上:1,000万円
ファクタリング手数料:10%
掛け目:20%
売上発生時
借方 勘定項目「売掛金」 金額1,000万円
貸方 勘定項目「売上」 金額1,000万円
ファクタリング契約締結時
借方 勘定項目「未収金」 金額1,000万円
貸方 勘定項目「売掛金」 金額1,000万円
ファクタリング会社からの入金時
借方 勘定項目「普通貯金」 金額720万円(1,000万円(売上×80%(掛け目)×90%(手数料を差し引いた金額))
借方 勘定項目「売掛債権譲渡損」 金額80万円(ファクタリング手数料相当)
貸方 勘定項目「未収入金」 金額800万円(普通貯金+売掛債権譲渡損)
売掛金が自社口座へ入金
借方 勘定項目「普通貯金」 金額1,000万円(入金された金額)
貸方 勘定項目「預り金」 金額800万円(ファクタリング会社へ返金する金額)
貸方 勘定項目「未収金」 金額200万円(掛け目によって自社に残る金額)
自社への入金をファクタリング会社に返金
借方 勘定項目「預り金」 金額800万円
貸方 勘定項目「普通貯金」 金額200万円
よくある事例②
ファクタリング形式:3社間
売上:1,000万円
ファクタリング手数料:5%
掛け目:20%
※売掛先からファクタリング会社へ直接入金
売上発生時
借方 勘定項目「売掛金」 金額1,000万円
貸方 勘定項目「売上」 金額1,000万円
ファクタリング契約締結時
借方 勘定項目「未収金」 金額1,000万円
貸方 勘定項目「売掛金」 金額1,000万円
ファクタリング会社からの入金時
借方 勘定項目「普通貯金」 金額760万円(1,000万円(売上×80%(掛け目)×95%(手数料を差し引いた金額))
借方 勘定項目「売掛債権譲渡損」 金額40万円(ファクタリング手数料相当)
貸方 勘定項目「未収入金」 金額800万円(普通貯金+売掛債権譲渡損)
~~ここまではよくある事例①と同じ勘定項目~~~
・ファクタリング会社から掛け目(留保金)の返金時
借方 勘定項目「普通貯金」 金額200万円(掛け目に応じて入金された金額)
貸方 勘定項目「未収金」 金額200万円
ファクタリングの仕訳は簡単
通常の掛け取引に比べると複雑な仕訳になりますが、基本を抑えれば仕訳は非常に簡単です。
ファクタリング手数料を非課税で計算するなどの注意点がありますが、赤字企業であれば仕訳による税金対策を気にする必要もありません。
黒字企業がファクタリングを活用する際は、顧問税理士などに仕訳内容の確認を取っておくようにしましょう。